口腔内スキャナー
口腔内スキャナーは、患者さまのお口の中を小型カメラで撮影し、そのデータをもとにコンピューターを介して立体画像を再現しモニターに映し出す装置です。光学印象とも呼ばれ、従来の型取りと同じかそれ以上の治療を行う事ができる「デジタル印象採得装置」です。これにより、患者さまの口の中の状態を非常に詳細に知ることができるようになりました。
従来、歯の治療や矯正治療を行う際には、アルジネートと呼ばれるピンク色の粘土のような材料をお口の中に入れ、歯の型をとる必要がありましたが、これは多くの人にとってつらい経験であり、時にはむせたり、不快感を感じたりすることがありました。特に嘔吐反射のある患者さまには歯の型取りは非常につらい治療のひとつだと思います。しかし、口腔内スキャナーを使用することで、従来のような型取りの必要がなく、お口の中を小型カメラで撮影(スキャン)するだけで3D画像の精密な歯型が採取できます。これにより、3Dの画像で肉眼では見えにくい細かな部分もモニター上ではっきりと確認することができます。
当院では「i700ワイヤレス」という最新の口腔内スキャナーを導入しております。従来の他社の口腔内スキャナーと違い、患者さまのお口の中に入る先端のチップの部分が小さくワイヤレスなので操作がしやすいので、従来の口腔内スキャナーに比べ、さらに不快感も少なく型取りが可能です。
口腔内スキャナーのメリット
歯型取りの不快感がない
従来の歯の型取りは粘度のような材料を使用していたため、嘔吐反射の強い方や口が開けにくい方にとっては非常に不快に感じられる工程でした。
しかし、口腔内スキャナーは、小型カメラを口腔内に挿入し、口の中をスキャンするだけでデジタル歯型を作成できますので、不快感や吐き気の心配がありません。 従来のように印象材がのどに流れ込んで誤嚥してしまうという心配もありませんので、お子様でも安全にご利用いただけます。
精密な歯型が作れる
口腔内スキャナーのもう一つの大きなメリットは、高精度で精密な歯型を作成できることです。
従来の方法では、印象材を使って型をとり、固まったらその型に石膏を流して模型を作製を取るというプロセスを取っていましたが、この時に使用される印象材や石膏のによっては歪みや変形が生じ、歯型の精度が変わってしまうことがありました。
しかし3Dスキャナーによる型取りの場合、印象材の歪みによる誤差が発生しないため、精度の高い歯型を採取することが可能です。
また採取した後の歯型もデータとして管理することができるため、精度を保ったまま保管することができるというメリットもあります。
スピーディに治療できる
従来の型取りプロセスでは、型を取った後の型の模型の製作などにも時間がかかり、これが治療を遅らせる原因ともなっていました。
しかし、口腔内スキャナーはデジタルデータを即座に生成し、コンピューター上に3D模型を再現することができますので、従来のような模型作製のプロセスが不要となりました。
これにより、患者さまの通院回数も減り、治療期間を短縮することが出来ます。